日常的に運動をしているとアキレス腱炎になり、歩くたびにアキレス腱が痛くなってしまうこともあります。
しかし痛みの正確な原因が分からなければ、どう対処すれば良いのかもわからないものです。
重度のアキレス腱炎をそのままにしておくと、日々の運動や歩行さえも困難になりかねません。
ここでは、アキレス腱を痛める原因や、自宅でできる効果的な対処法をわかりやすく解説します。
適切にケアすれば、アキレス腱の痛みは軽減可能です。
この記事を参考にして、アキレス腱炎の早期治療を目指してみてください。
歩くと痛いアキレス腱炎の症状とは?
歩くと足首の後ろが痛くなる場合は、アキレス腱炎を起こしている可能性があります。
主に運動により、アキレス腱に強い負荷がかかったことが原因です。
アキレス腱が痛いまま運動を続けると、アキレス腱の断裂を引き起こすこともあるので注意してください。
アキレス腱炎の具体的な症状は以下の通りです。
- 主に足首の後ろ側が痛む
- 触ると腫れや熱感がある
- 足首の動く範囲が狭まる
それぞれ順番に解説します。
主に足首の後ろ側が痛む
朝起きてすぐのタイミングで、歩き始めに痛みを感じる場合はアキレス腱炎の可能性があります。
歩く際にアキレス腱が引っ張られて痛みが生じるからです。
筋肉が固まりがちな朝は、強く痛む傾向があります。
最初の数歩の痛みが特に強く、歩いているうちに徐々に落ち着いてくるのが特徴です。
身体が温まると痛みが引いてくるので、症状があっても気にせず運動してしまう方もいます。
負荷がかからない状態でも足が痛いようであれば、アキレス腱炎を疑って適切にケアするのがおすすめです。
触ると腫れや熱感がある
アキレス腱炎になると、かかととふくらはぎの間に腫れや熱感が生じます。
アキレス腱に負荷がかかることで、炎症を起こしているからです。
足首周りの痛みがあっても、かかとや脛(すね)側に痛みがある場合は、他の症状が出ている可能性があります。
例えば踵骨後部滑液包炎(しょうこつこうぶかつえきほうえん)によるかかとの骨の炎症です。
かかとがズキズキと痛んだり、しびれるような不快感があります。
足首の痛みへの対応は安静が第一です。
アキレス腱周りに違和感がある場合は、負荷をかけないようにすると良いでしょう。
足首の動く範囲が狭まる
アキレス腱が炎症を起こしていると、足首を動かせる範囲が狭くなります。
アキレス腱はかかとの骨と繋がっているためです。
足首を動かすとアキレス腱に負荷がかかるので、アキレス腱が痛い時は足首は動かしにくくなります。
特につま先立ちをしたり、足を伸ばしたりすると、痛みや制限が増す感覚があるでしょう。
動かしにくい足首を無理に動かすのは危険です。
下手をするとアキレス腱が断裂する可能性があります。
アキレス腱を痛める主な原因3選
アキレス腱を痛めるのは、耐えられないほどの負荷がアキレス腱に掛かるのが原因です。
そのため日頃から、強度の高い運動に取り組んでいる人は、アキレス腱炎にならないように心がけると良いでしょう。
具体的な原因は以下の3つとなります。
- 足を使いすぎて、限界を超えた負荷がかかる
- 足に負荷がかかりやすい姿勢になっている
- 運動前後に適切なストレッチをしない
それぞれ順番に解説します。
足を使いすぎて、限界を超えた負荷がかかる
アキレス腱が炎症を起こす一番の原因は、運動による過剰な負荷です。
限界を超えて運動してしまうと、アキレス腱が炎症を起こしてしまいます。
以下に該当する方は特に注意が必要です。
- 日頃から、強度の高い運動を行っている
- 競技スポーツで成果を出したい
- 生活習慣改善のため、最近運動を始めた
激しい運動を行っている人ほど、身体への負荷には注意が必要です。
また運動習慣のない人は、運動の強度や負荷を掴めていません。
急にがんばって運動すると身体がついて行かないので、徐々に運動強度を増やしていくのが良いでしょう。
足に負荷がかかりやすい姿勢になっている
アキレス腱への負荷には、姿勢も影響します。
正しい姿勢でなければ、運動時の衝撃が直接足に伝わるからです。
特に足首が内側を向いているとアキレス腱が捻(ねじ)れて、摩擦が起こりやすくなります。
姿勢が悪化する原因は、以下のものがあります。
- 骨盤や股関節に歪みが出ている
- 足首や足裏の筋肉が硬くなっている
- 土踏まずが潰れて、偏平足になっている
身体が硬く姿勢が崩れている人ほど、運動の際に足に負荷がかかりやすくなります。
運動前後に適切なストレッチをしない
運動前後にストレッチをしないと、怪我をする可能性が高まります。
運動前後は筋肉が硬い状態だからです。
運動前のストレッチは身体を温めつつ、筋肉や関節の動きを良くする働きがあります。
身体を大きく動かすダイナミックストレッチがおすすめです。
運動後は筋肉の緊張を緩めつつ、疲労物質を流すためにストレッチを行います。
筋肉の柔軟性を高め、怪我の予防になるクールダウンストレッチが良いでしょう。
運動前後に適切なストレッチを行っていれば、アキレス腱への負担を抑えられます。
歩くと痛いアキレス腱炎を治す方法
アキレス腱炎を治して痛みを取り除く方法は以下の通りです。
- 安静にして、しっかり休養を取る
- 患部を冷やして、炎症を軽減する
- 適切な足首のストレッチを行う
- かかとからふくらはぎまでテーピングする
- ふくらはぎと足の裏をマッサージする
それぞれ順番に解説します。
安静にして、しっかり休養を取る
アキレス腱に痛みがある時は安静にして、しっかりと休みましょう。
アキレス腱への負荷を、可能な限り減らすのが肝心です。
少し良くなってきたからといって運動すると、アキレス腱炎が余計に悪化します。
最悪の場合はアキレス腱が断裂するので注意してください。
患部を冷やして、炎症を軽減する
アキレス腱が痛む際は、アイシングで患部を冷やすのも効果的です。
炎症を軽減して、より早く痛みを鎮静化します。
早期の完治にも繋がるので、アイシングはかならず行ってください。
アイシングだけでは痛みが引かない場合は、湿布や痛み止めも有効です。
整形外科で処方されるので、活用すると良いでしょう。
適切な足首のストレッチを行う
アキレス腱炎には足首もストレッチも効果的です。
段差や階段を利用したエキセントリックストレッチングであれば、アキレス腱炎の長期化を防いで早期治療が見込めます。
具体的なストレッチ方法は以下の通りです。
- 痛いほうの足の先を段差にかける
- かかとをゆっくりと降ろす
- アキレス腱が伸びて痛みが出る
- 我慢できる程度の痛みで伸ばす
- 15秒程度の時間キープする
エキセントリックストレッチングは、3回で1セットです。
効果を実感するには1日に2セット程度を、最低でも2週間続けてください。
かかとからふくらはぎまでテーピングする
テーピングによりアキレス腱への負担を軽減するのも有効です。
かかとからふくらはぎまで保護すると、足が楽になります。
テーピングの具体的な手順は以下の通りです。
- 1本目のテーピングの端をかかとに貼る
- ふくらはぎの真ん中まで一直線に貼る
- 2本目のテーピングは二股になるように割く
- 端を1本目のテーピングのかかと部分に貼る
- ふくらはぎの盛り上がりに沿わせる
- ふくらはぎを挟み込むように膝裏まで貼る
自分でテーピングするのは難しい位置なので、誰かに貼ってもらうと良いでしょう。
ふくらはぎと足の裏をマッサージする
アキレス腱炎の痛みを軽減するには、ふくらはぎと足の裏をマッサージするのもおすすめです。
固まった筋肉をほぐせば、アキレス腱への負担を軽減できます。
具体的な方法は以下の通りです。
- 百均の健康足踏器を踏んで足の裏をほぐす
- ふくらはぎの硬さがある部分を押しながら、足首を上下に動かす
- 足指をグーパーして足の裏の筋肉を伸ばす
痛みがある場合は、無理のない範囲で行ってみてください。
特に痛みの中心であるアキレス腱周りは、押さないようにしましょう。
アキレス腱が歩くと痛い時にやってはいけないこと
アキレス腱が痛い時に無理をすると、痛みが強くなるばかりか治りが遅くなります。
特に以下のような行動は控えると良いでしょう。
- アキレス腱に負担をかける運動
- 痛みがある際のアキレス腱マッサージ
- 激しい痛みがある際のセルフケア
アキレス腱に異常を感じた際は、自己判断によるセルフケアは逆効果です。
早めに整形外科や整骨院にかかり、医師の指導に従って治療するのが良いでしょう。
アキレス腱の痛みを予防する方法
アキレス腱の痛みを予防するには、足のクッション構造がうまく働くようにするのが肝心です。
運動時の衝撃を軽減できれば、アキレス腱への負荷を小さくできます。具体的な方法は以下の通りです。
- ストレッチで足首の柔軟性を高める
- 足に適した靴でアキレス腱への負荷を軽減する
- 足裏をほぐして土踏まずのアーチを維持する
それぞれ順番に解説します。
ストレッチで足首の柔軟性を高める
ストレッチで足首を柔らかくすると、アキレス腱への負担を軽減できます。
アキレス腱が痛くなりやすい人は、足首が内側に向いて固まっている場合が多いからです。
また足首をほぐして柔軟性を高めると、身体の歪みも改善されます。
姿勢が良くなる効果が期待できるので、アキレス腱が痛くなりにくい身体を作れるでしょう。
足首を柔らかくするには、意識して足首を動かすストレッチが効果的です。
足首回しやかかとの上下運動などに取り組んでみてください。
足に適した靴でアキレス腱への負荷を軽減する
適切な靴を履くことでも、アキレス腱への負荷を軽減できます。
靴が運動時の衝撃を吸収してくれるからです。
アキレス腱を予防できる靴の選び方は以下の通りです。
- 少しだけかかと部分が高い
- 靴底のクッション性能が高い
- かかと周りの保護性能が高い
靴は足をしっかりと保護するものであれば安心です。
またサイズがぴったりな靴を選ぶのも肝心です。
特に足の幅や甲の高さを合わせると、より足にフィットして安定感が増します。
偏平足を改善して土踏まずのアーチを維持する
偏平足気味な場合は、足裏をほぐすのもおすすめです。
土踏まずのアーチには、運動時の衝撃を吸収する役割があります。
しかし足裏が固まっていると、土踏まずのアーチがなくなってしまいます。
偏平足改善には足裏のマッサージや、インソールが効果的です。
扁平足矯正用のインソールは、足裏のアーチを持ち上げてくれます。
アキレス腱がすぐに痛くなってしまう人は、インソールの仕様を検討してみるのも良いでしょう。
まとめ:適切な処置でアキレス腱の痛みを取り除こう!
アキレス腱を痛める原因や、自宅でできる効果的な対処法を解説しました。
運動に慣れた人であっても、日々の負担が蓄積すればアキレス腱炎を発症してしまいます。
正しい対応でアキレス腱の痛みを取り、早期治療を目指してみてください。
足首や足裏の筋肉を柔軟にして、アキレス腱の痛みと縁のない身体を作っていきましょう。
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